縁の下の恋


慌ただしく一理の社会人としての生活がいよいよスタートした。



一理は、通勤には自転車を使用することにしていた。


スタッフの会議の際も、会場へのスタッフの集合時間に遅れることが無いよう、それだけは、心掛けようと思っていた。



会議が終了したあと、田中チーフに一理は、呼ばれた。



「松平!だったよな?……初めてのいきなりの会議で話しの内容は、多分理解出来ないことばかりだったかもしれんけど、始めは先輩の仕事をよく見ておくことだな!身体の後ろにも目を持って、何時誰に何を言われても体を動かせれるようにしておけ!判らんことには安易に返事するなよ!きちんと訊け!訊かないままやると、誰もお前が判らないとは思ってはくれないから!判ったな!」


「はいっ!何も判りませんが……宜しくお願いします!女だからと手加減しないでください!」



「ああっ!勿論そのつもりだ!明日は、大丈夫だろうな?場所は、きちんと確認しておけよ!」
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