王子様に恋をした

第3幕 社交界デビュー(誕生祭)

「いやぁ!なんて美しいんだ!!流石我が娘アイリーン。やはりお前は私達の自慢の娘だよ。」

邸に帰って来られたお父様は、自室で本を読みながら待っていた私の姿を見て、上記のように第一声を発しながら抱きついて来たのでした。

「お父様!折角ローラ達が綺麗にしてくれた髪が解けちゃいます。それにドレスにも皺が出来てしまうので、お止め下さい!」

と、少しきつい口調で咎めると

「お、おお…そうだったな。アイリーンが可愛いかったからつい……。」

と少ししょげた風にお話になるお父様に、お母様は苦笑いをされ、侍女のローラは肩を揺すって笑っていました。

あとから部屋に入ってこられたお兄様は、

「アイリーンによく似合ったドレスと髪型になったね。お父様お母様と、侍女達にお礼は言ったの?」

と笑顔で仰いました。

「あ!そうよ!ごめんなさい………忘れていました。」

私はお兄様の言葉にハッとなり、慌てて向き合いそして、

「お父様、お母様。素敵なドレスや髪飾りをありがとう存じます。」
「ローラ、スカーレット。私を綺麗にしてくれてありがとう。」
「そしてお兄様、教えて頂きありがとう存じます。」

私は丁寧にカーテシーをしてにっこり笑ったのでした。
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