戀のウタ
 政府直轄機関?

 特技研?

 カイロスエネルギー?


 現実離れした言葉に訳の分からない感情が渦巻く。
 そしてそれはすぐにアタシの中から溢れ出した。


「恭介!あんたそんなんでいいの?訳の分からないことに巻き込まれて…実験台にされてんのよ!!」


 アタシは怒りに似た感情に任せて椅子から立ち上がると恭介の肩を掴んで説得する。

 恭介はいつも穏やかで、ドジで、でも優しくって…そんな恭介がこんなわけの分からない政府の研究所で実験台にされるなんて似合わない。

 いつもアタシが一緒にいて守らなきゃ駄目なのに!

 だけど恭介の口からはアタシの気持ちとは違った言葉が漏れた。


 「仕方ないじゃないか、そりゃあ俺だっていつの間にかこんな体に改造されて…とかなら納得出来ないし拒否るよ!だけど…だけど生まれた時からこうだったんだ!どうしようも、ないじゃないか…」


 始めは強い語調だったのに最後には消え入るような小さな声になる。

 「生まれた時から」という言葉にアタシは先ほど前の怒りが一気に冷えて悲しみと疑問に変わった。
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