授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
『菜穂ちゃん!』
たまたま立ち寄った聖子の店でひょんなことから働くことになったその日の夜。
自宅に帰るなりスマホが鳴ったかと思ったら父からの着信だった。何の用があるわけでもなく、社会人になってからこうして週に何度か電話をかけてくる。
『もう! 何回も電話かけてるのに全然出ないし、留守電聞いてくれた? お父さん、今出先からなんだけど――』
「お父さん、今日はちょっと忙しくて電話に出られなかったの、だから留守電も聞いてないし、ごめんね」
肩下まで伸びたセミロングの髪の毛を頭の上でお団子に結いながら父の愚痴に付き合わされる。父の異常なほどの心配性は今に始まったことじゃないからもう慣れっこだ。まるで子どもに話しかけるような口調も昔から変わってない。
『今日もお仕事頑張ったんだろう? 菜穂ちゃんはすぐ無理するから……風邪とか引いてない? 大丈夫?』
「大丈夫よ、それと同じこと一昨日も聞いたけど?」
『あっはは、そうだったかな? そうそう、今度お父さんの友人と一緒に“グランドエスタ”に行くんだ。菜穂ちゃんもどう?』
え、グランドエスタ! 超高級フレンチの店だよね?
たまたま立ち寄った聖子の店でひょんなことから働くことになったその日の夜。
自宅に帰るなりスマホが鳴ったかと思ったら父からの着信だった。何の用があるわけでもなく、社会人になってからこうして週に何度か電話をかけてくる。
『もう! 何回も電話かけてるのに全然出ないし、留守電聞いてくれた? お父さん、今出先からなんだけど――』
「お父さん、今日はちょっと忙しくて電話に出られなかったの、だから留守電も聞いてないし、ごめんね」
肩下まで伸びたセミロングの髪の毛を頭の上でお団子に結いながら父の愚痴に付き合わされる。父の異常なほどの心配性は今に始まったことじゃないからもう慣れっこだ。まるで子どもに話しかけるような口調も昔から変わってない。
『今日もお仕事頑張ったんだろう? 菜穂ちゃんはすぐ無理するから……風邪とか引いてない? 大丈夫?』
「大丈夫よ、それと同じこと一昨日も聞いたけど?」
『あっはは、そうだったかな? そうそう、今度お父さんの友人と一緒に“グランドエスタ”に行くんだ。菜穂ちゃんもどう?』
え、グランドエスタ! 超高級フレンチの店だよね?