【女の事件】白紙委任
第3話
「何やオドレ!!うちの会社に文句があるだと!!文句があるのだったら、下請けに言えや!!…何や…ケーサツ呼ぶだと!!呼べよケーサツを…ほんならどうなるのか分かっているのか!!オドレらの結婚式場の施設をショベルカーでメチャメチャにするぞ!!」

声の主は、まさゆきの兄まさよしである。

まさよしは南三陸町に2011年3月12日にオープンする予定であった結婚式場の建物が大震災で倒壊したその上に、大津波で空調設備が流されたことが原因による大火災を起こした…

まさよしが経営する建設会社に手抜き工事の疑いが出た。

それが原因で結婚式場会社がまさよしが経営する建設会社にクレームの電話がかかっていた。

クレームを言われまさよしは、逆ギレを起こした。

まさよしは、結婚式場会社の経営者たちに『オドレらが経営している結婚式場の施設をショベルカーをぶち壊すぞ!!次の日曜日が大安吉日だから、挙式をあげるカップルさんたちの晴れの日をメチャメチャにするぞ!!』とキョウハクした。

結婚式場会社の経営者たちはまさよしがこわいので、泣き寝入りするより他はなかった。

それから二時間後のことであった。

場所は、仙台市中心部のテナントビルにあるまさよしが経営している建設会社の事務所にて…

まさよしは、仕事がうまく行かないので気持ちがイラついていた。

「ああ!!どうなっているのだ!!ジアゲがうまく行かない…亘理の漁港の護岸工事でクレーム対応がうまく行かないが…オレはダメだ!!何をやってもダメなんだ!!ああ…オラオドレ!!」

まさよしは、イライラとした声で近くにいる男性社員を呼んだ。

「はい、何でございましょうか?」
「オラ!!酒買ってこい!!酒買ってこい!!」
「お酒ですね…何がよろしいのでしょうか?」
「何でもええから酒買ってこい!!」

男性社員は、近くのコンビニへ酒を買いに行った。

ジアゲがうまく行かない、山のようにクレームが来るのでタイショできない…

まさよしのイライラは、日ましにつのるばかりであった。

まさゆきが結婚できない元凶は、両親の白紙委任に加えて、兄まさよしがジアゲ屋を経営していることにあった。

その頃であった。

ところ変わって、まさゆきが勤務している地銀の出張所にて…

まさゆきが1日の仕事を終えて家に帰宅をする準備をしている頃であった。

上司の男性がまさゆきに優しく声をかけて来た。

上司の男性は、まさゆきが契約社員でお給料が少ないのに16年間がまんしたしていたので、そろそろ何とかしてあげたいと思って本店で正社員にかえることを検討していた。

「まさゆきさん…」
「ああ、課長…」
「今日も1日おつかれさま。」
「ああ…」
「まさゆきさん、今夜の予定は?」
「予定って言われても、家に帰って晩ごはんを食べるだけです。」
「ああ…そうだった…まさゆきさん…すぐに終わるから話を聞いてくれるかな?」
「話って、なんなのでしょうか?また違う出張所へ転勤しろと言いたいのですか?」
「転勤は転勤なのだけど…ボーナスがついているのだよ。」
「また絵に書いたもちみたいな話をしている…契約社員だからボーナスがないと言うておいて…急にボーナスを出すからと言う…前と同じようなことをよその出張所でも聞いたので、どーせ同じことだから信用できん(キッパリ)」
「いや、今回は本当にボーナスつきだよ。」
「ボーナスって何のことを言ってるのですか?」
「だから、本店で正社員として働くことだよ…」
「バカみたい(ボソッ)」
「私は、まさゆきさんが契約社員で安いお給料でも文句ひとつも言わずにがまんして働いていたから、そろそろ本店で正社員として勤務の方がいいのではないのかと…」
「それは、誰が決めたことですか?」
「誰がって…本店の人事担当のひとが話を持ってきたのだよ…まさゆきさんは仕事が早いから、本店へ移ってみてはどうですか…と言うているのだよ…」
「本店に移ったらいい特典があるよと言いたいのかよ(ボソッ)」
「いい特典があるから本店で正社員勤務をすすめているのだよ…たしか、うちの出張所に勤務している女子社員が気になっていたけど…本店勤務の男性と付き合っているのであきらめた…と言うたじゃないか…本店に行けばOLさんたちがいっぱいいるから…」
「それがいい特典だと言いたいのかよ(ボソッ)」
「まさゆきさん!!本店で正社員として登用されることがうれしいとは思わないのか!!」
「さあ~ど~だか(生ぬるい声)」
「わかった…本店の人事に電話で言うておく…まさゆきさんはやる気がないからクビにしてくれと言うておく!!」
「ど~ぞご勝手に~」

まさゆきは、生ぬるい声で課長に言うたあと口笛ふきながら出て行った。

何なのだ一体…

勤務態度が悪いのぉ~

課長さんは、口笛ふきながら出て行くまさゆきの背中にファイルを投げつけてあかんべーしてデスクへ戻った。

まさゆきは、上司の男性の言葉のトウイにだまされるものかとかたくなになっていたので、本店勤務の話をキッパリと断った。

その日の夜のことであった。

ところ変わって、青葉区内にあるまさゆきの家にて…

仕事を終えたばかりのしほは、会社から急に夜勤務のパートさんが休んだので急きょ入ってほしいと要求されたので、入院患者さんの晩ごはんを作る仕事をしなければならなくなった。

そのため、まさゆきの晩ごはんを作ることをまさはるの妻にお願いした。

この日の夜、まさはる夫妻が家にやって来て、まさゆきのために手料理を作っていた。

テーブルの上には、白ごはんとみそしるとグリーンサラダと目玉焼きときんぴらごぼうが置かれていた。

しかし、まさゆきの目玉焼きがなかったので『ごはんいらない!!』と怒っていた。

「ごはん食べない!!」
「義兄さま、食べないのですか?」
「食べない!!オレの分だけ目玉焼きがない!!」
「ああ、義兄さまの目玉焼きを作るのを忘れていた…今から目玉焼きを焼きます…」
「ふざけるな!!まさはるには目玉焼きを焼くのにオレには焼かないのか!!」
「すぐできます…卵をわって、フライパンで焼くだけです。」
「目玉焼きはいらないと言うているのに、何でいらないことするのだ!!」
「兄さん…(まさはるの妻)を許してくれよ…わざと忘れていたわけじゃないのだよ…目玉焼きはすぐできるよ…兄さん…ゆっくりとかんで食べれば目玉焼きは焼けるから…」

まさはるは、まさゆきに目玉焼きはすぐできるからごはんを食べようとなだめた。

それから一分後に、まさはるはまさゆきにおだやかな声で言うた。

「兄さん…話を聞いていないかな…」
「何の話だ!?」
「兄さんの職場の上司のひとから…話を聞いていないかな…」
「何の話なのだ!!はっきりと言え!!」
「だから…本店に勤務…」
「本店勤務なんか断った!!」
「えっ?どうして断ったの?」
「課長(クソバカ)が正社員に登用と言うてオレをだました!!」
「だました?」
「課長(クソバカ)は、出向か別の出張所に転勤のどちらにせえと言うた!!」
「えっ?(まさゆきの職場の上司)さんは、兄さんを本店で正社員で登用というてたよ。」
「オドレ殺してやる!!何でそんな勝手なことをしたのだ!!」
「勝手なことはしていないよぉ…」
「やかましい!!本店勤務の話を出して来たから殺すぞ!!」

この時、目玉焼きが出来上がったのでまさはるの妻は目玉焼きをまさゆきに差し出そうとしていた。

「義兄さま、目玉焼き…」
「誰が目玉焼きを作れと言った!!オドレは恋愛結婚ができたからうらやましいでしょと言うてオレをグロウしたから、殺してやる!!」
「アタシは目玉焼き作っただけなのよ!!」
「やかましい!!職場の上司にオレが本店で勤務できるようにしてくださいと言いに行ったのはオドレか!!」
「義兄さま!!」
「兄さん!!」
「何や!!殺されたいのか!!」
「義兄さま、本店で働くのがそんなにイヤなのですか!?」
「オドレ!!殺してやる!!」
「義兄さま…本店に行けばOLさんがたくさんいるのよ…」
「たまれ!!オドレらのせいでオレは結婚をあきらめたのだ!!今から結婚したいと言うても条件が悪いのだよ!!条件が悪いのにどうやって結婚をするのだ!!オドレらは恋愛結婚かできたからうらやましいでしょと言うて、オレをグロウするだけグロウしたのだからぶっ殺してやる!!」

まさゆきは、まさはるの妻が作った晩ごはんをゴミ箱に捨てた後、まさはるに殴るけるの暴行を加えて、ナイフで左腕を斬りつけてケガを負わせた。

まさはるの妻は、まさゆきがこわいので止めることができずにその場に座り込んで震えていた。

その頃であった。

ところ変わって、仙台の中心部の国分町通りにある居酒屋にて…

まさよしは、自暴自棄におちいっていたので、やけ酒をあおっていた。

この時、メイテイ状態におちいっていたのできわめて危険であった。

まさよしは、となりに座っている男性客がのんでいるお酒に手をつけてしまった。

「オラオドレ!!何をやっているのだよ!!」
「何だよぉ…酒をのみたいのだからのませろ!!」
「だからと言って、となりに座っている客の酒をのんでいいというわけじゃないのだよ!!」
「何だと!!もういっぺん言ってみろ!!」
「何や!!やるのか!!」
「上等だ!!オドレのようなやくざはぶっ殺してやる!!」
「ああ、こっちも同じだ!!オドレみたいなジアゲ屋はぶっ殺してやる!!」

このあと、双方がドカバキの大ゲンカを店内で起こしたのでケーサツが出動する騒ぎになった。

まさよしは、店員がケーサツに知らせていた時に、とっさになって店から逃げ出した。

まさよしは、酒場街で乱闘騒ぎを起こすようになったので、心が壊れていた。

そうしたことが原因で、家庭崩壊の危機におちいったので、まさゆきの両親は困り果てていた。

家庭崩壊の悲劇は、ここから本格的に始まった。
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