【女の事件】白紙委任
第4話
10月10日の午前11時過ぎのことであった。
ところ変わって、宮城野区のフェリーターミナルの近くにある結婚式場のチャペルにて…
この日、まさゆきが勤務している銀行の本店のOLさんと宮城野区内の消防署に勤務している消防士さんの男性の挙式が執り行われていた。
二人は、OLさんと消防士さんのお見合いイベントで知り合って、2ヶ月のお付き合いをへて結婚を決めた。
おめでたいムードに包まれている中で、深刻な事件が発生した。
OLさんの恋人さんが、OLさんを奪い取った後、その場から逃げ出した事件が発生したので、チャペルは大混乱が発生した。
それから数分後に、パワーショベルの音が聞こえて来。
(グォーングォーン!!ドドドドドドドドドドドドドドドド…バキバキバキ!!ガシャーン!!ガシャーン!!ギャー!!ギャー!!)
チャペル内にパワーショベルが突っ込んで来たので、参列者のみなさまが大パニックにおちいった。
パワーショベルに乗っていたのは、まさよしであった。
まさよしは、パワーショベルから降りた後ワーッ!!と叫んで、刃渡りの鋭いサバイバルナイフを振りまわして、新郎さんのお父さまとお母さまを殺した。
まさよしは挙式に出席をしていた新郎さんの職場の同僚の消防士さん数人にナイフで斬りつけて殺した。
事件を起こした後、まさよしは『オドレらの喜びの日は地獄絵と化した…ザマーミロ!!』と言うておしりぺんぺんして逃走した。
被害を受けたチャペルは、まさよしが以前発注していた南三陸町にオープンする予定であった結婚式場の手抜き工事でトラブルになった結婚式場会社が運営している施設であった。
事件の翌日のことであった。
ところ変わって、しほがパート勤務をしている病院の調理場にて…
ここ数日の間、調理場のパート従業員さんが休んでいるので、しほが不足分をおぎなう形で働いていた。
『子供が熱を出した』『ダンナが倒れた』『義母が転倒した』…
そう言った理由で休んでいるパートさんがいたので仕方ないと思っていたが、しほの気持ちはソートー疲れ切っていた。
入院患者さんの朝ごはんの調理が終わってひといきついたしほは、病院の女子トイレの洗面所でメイクをしていた。
その時に、しほはソウジのパートの女性と会った。
「しほさん…」
「ああ、おはようございます…」
「おはよう…毎日大変ね…」
「休んでいるパート従業員さんの分をアタシひとりでおぎなっているので…体がくたくたになっているのです…」
「あんまり無理しないでね…」
ソウジのパートの女性は、ひと間隔おいてからしほに言うた。
「しほさん…」
「はい…」
「昨日、宮城野区の結婚式場のチャペルでショベルカーが突っ込んだ事件のこと、ご存じかしら?」
「えっ?本当なの?」
「本当よ…あの事件で新郎さんのご両親がショベルカーに乗っていた男に刃物で殺されたのよ…あと、結婚式に出席していた新郎さんの職場の同僚も殺された…出血多量で心肺停止になっていた新郎さんが、今朝方亡くなられたのよ…今さっき…病院の表玄関に…葬儀屋さんの寝台車が止まっていたから…まさかと思っていたのよ…」
「何でこんなことに…」
「新郎の消防士さんは、お見合いイベントで銀行のOLさんと知り合って…お付き合いをして結婚を決めたのよ…そんな中で深刻な事件に巻き込まれて亡くなったので…」
「それがどうかしたと言うのでしょうか…」
「しほさん…」
「新郎さんのお嫁さんは…まさゆきが勤務している銀行の本店のOLさんでしょ…」
「そうよ…」
「だから断ったのです!!」
「断ったって?」
「まさゆきは、銀行の本店勤務を断ったのよ!!」
「まさゆきさん…銀行の本店勤務をどうして断ったのかな?本店に行けばOLさんがたくさんいるのよ。」
「OLさんはたくさんいても、お見合いイベントで消防士や警察官などに取られてしまうから断ったのよ!!」
「もったいないわねぇ…それじゃ、まさゆきさんはいつになったら結婚に向くのかしら?」
「そんなの知らないわよ!!うちにはお嫁さんはひとりいれば十分です!!」
「それじゃ、まさゆきさんはお嫁さんはいらないのね。」
「まさゆきのことを思ってくれる女性はいなくなったのよ!!」
「どうして決めつけるのよ?」
「決めつけなんかじゃないわよ!!理由があるから言うたのよ!!…こんなことになるのだったら汚い手を使ってでも、まさゆきを医大に入れるべきだったわ…低学歴・低収入・低身長…サイアクだわ…まさゆきは誰に似たのかしらね!!」
「あなたがまさゆきさんを低くみるようであれば、銀行なんかやめた方がいいわよ…銀行をやめたあとの再就職について、2つあるけれど、どうする?」
ソウジのパートの女性は、しほにまさゆきが銀行をやめた後の職場を2つテイジした。
「ひとつは…苫小牧にある製紙工場の段ボールおりのお仕事よ…先月、段ボールの人がふたりやめたので人手が足りないみたいよ。」
「お給料は…」
「銀行の時の4分の3かそれ以下かな…お昼のお弁当代と従業員寮の費用を差し引いて、1万円以下よ…それでもいい?」
「そんな…それじゃ、もうひとつは?」
「もうひとつは、原ノ町の建設会社だけど、お仕事は原発の廃炉作業しかないのよ…お給料は諸費用などで引かれて、残るのは3000円以下よ…休みなんかないわよ…廃炉作業は50年かかるから、死ぬまで現地(大熊町)でただ働きで廃炉や周辺の除せん作業するのよ…それでもいいかしら…」
しほは、ソウジのパートの女性に『まさゆきと話し合います…』とだけ言うたので、ソクトウはさけた。
ソウジのパートの女性からテイジされた超劣悪な仕事しかないと言うことを聞いたしほは、まさゆきにどのようにして説明をすればいいのか分からずコンワクしていた。
その日の夜のことであった。
しほは、ダンナにまさゆきの結婚問題に真剣に向き合ってとお願いした。
ダンナは『向き合っているよ…』とめんどくさ声でしほに言うて、カネをくれと要求したので大ゲンカを起こした。
「あなたね!!毎日毎日学会学会と言うて、逃げてばかりいるじゃないのよ!!まさゆきの結婚問題にシンケンに向き合ってと言っているのになんで聞いてくれないのよ!!あなた!!」
「話を聞いているよ…まさゆきの結婚相手は今、選び直しているところなのだよぅ…身丈に合った女医さんがいないから、こっちは困っているのだよ…」
「いいわけばかり言わないでよ!!あなたは病院の経営とまさゆきの結婚のことよりも医師会の会員さんのお医者さんたちと酒をのんだりゴルフに行くことが大事だと言うたからもう許さないわよ!!」
「しほ…」
「まさゆきのお嫁さんはアタシの一存で選ぶから…それだけは言うておくわよ!!」
しほは、ダンナに強烈な口調で怒鳴りつけたあと、背中を向けて部屋を出た。
10月13日の朝8時半頃のことであった。
まさゆきが出張所に出勤をしてきた時、上司の男性は本店に電話をしていた。
上司の男性は、まさゆきが本店で勤務できない事情を説明していた。
本店の人は、上司の男性の説明に対して『気持ちはよくわかりました』と言うたが、まさゆきが仕事のスピードが早いのでソクセンリョクになるので、本店に来てほしいと言うていた。
上司の男性は『12月1日よりよろしくお願いいたします。』と伝えた。
受話器を置いた上司の男性は、出勤をしてきたまさゆきに過度にやさしい声で言うた。
「ああまさゆきさん、ちょうどよかった…さっき本店から電話がかかって来たよ。」
「(イラついた声で)だからなに?」
「だから、本店のひとがまさゆきさんを正社員で登用するから来てくださいというていたよ。」
「(ますます冷めた声で)課長、あんた頭おかしいねぇ…病院へ行ったら?」
「どうしたのだね、本店の人が来てくださいと言うているのだよ…」
上司の男性がシツヨウに本店本店とまさゆきに言うたので、まさゆきは舌打ちしてからこう言うた。
「イラつくのだよあんたは!!本店本店本店本店…本店に行け!!うれしい顔ができないのか…きさまはバカか!?本店に行けば、いい特典があると言いたいのかボ!!」
「君は、上司に対してなんだその言葉づかいは!!私はいい特典がついているから本店に行けと言うたの!!」
「きさまの言ういい特典とは、何のことを言うのかよ!?」
「私は、まさゆきさんの近くに結婚相手がいないと言うから、助けてあげようと思って正社員登用で本店勤務をすすめているのだよ!!君はそれをけかえすと言うのか!?」
「ええ、そのつもりです!!」
「ああなさけない…正社員になったら結婚に有利になるのだよ!!本店に行ったらOLさんはたくさんいるのだよ!!」
「だけど、お見合いイベントは外部の男が対象だから、話しにならない…(小バカにする声で)あんた、頭いかれているから病院へ行けよ…」
「君は、どこのどこまで言葉づかいが悪いのだ…クソバカ野郎!!虫ケラ!!死ね!!」
上司の男性は、まさゆきに吐き棄てる言葉をぶつけたあと、外へ出て行った。
まさゆきは、思いきりキレていたので本店勤務を辞退するのと同時に、銀行をやめることを検討していた。
その日の夕方のことであった。
この日、まさゆきは職場放棄してブラブラして時間をつぶしていた。
まさゆきが家に帰って来た時であった。
家出してジアゲ屋になった兄・まさよしがひょっこりと家に帰っていたところを目撃した。
この日も、しほは病院の調理場の仕事がいそがしいの家に帰る時間が遅くなる。
その上に、父親も学会だと言うて家を出たきり帰っていなかった。
この日も、まさはるの妻が家に来てまさゆきの晩ごはんを作っていた。
まさはるは、取引先の会社とトラブったので、後始末をするために急きょ函館へ出張に行った。
後始末が完了するまでの間、まさはるは帰ってこない…
まさはるの妻は、夫が帰ってくるまでの間まさゆきの晩ごはんを作ることになっていた。
しほも、人手が足りないので一日中調理場にいて、入院患者さんの食事を作る状態が10日以上つづくようだ。
なので、まさはるの妻がまさゆきの晩ごはんを作ることになっていた。
事件は、その時に発生した。
まさよしがひょっこりと帰って来たので、家の居間がシュラバと化していた。
まさよしは、まさはるの妻にカネのムシンをしていたので、そのことが原因で大ゲンカになった。
「おカネ…何でおカネがいるのですか!?」
「なあ、頼むよぉ…この通りだ…オフクロとオヤジにはだまってくれないかなァ…」
「だまってくれないかなァって…それ、どういう意味なのかしら!!」
「どういう意味って…建設会社がかたむいているので困っているのだよ…経営は火の車状態なのだよ…亘理の護岸工事の入札を取り消された上に、ジアゲをした土地の運用方法が分からない…その上に、カブに失敗して資金を溶かしてしまった…助けてくれぇ~」
まさよしは、泣きそうな声でまさはるの妻に助けを求めていた。
まさはるの妻は、キーッとイラついた表情でまさよしを怒鳴りつけた。
「あんたね!!いいかげんにジアゲ屋から足を洗いなさいよ!!あんたがヤクザだから入札を取り消されたのでしょ!!バクチを繰り返していたから、会社が火の車状態におちいったのでしょ!!」
まさはるの妻の言葉を聞いたまさよしは、逆ギレを起こた。
「何だと!!今オレのことを何て言うた!!」
「ヤクザをヤクザと言うたらいかんのかしら!!」
「何だと!!」
「あんたはチンピラの親分の子供だからまともな生き方なんかできないのよ!!」
「何だと!!そう言うオドレはエラいのかボケ!!」
「ボケはあんたの方でしょ!!あんたのせいでまさゆきさんにお嫁さんがいないのよ!!そのことがゼンゼン分かっていないわね!!」
「何やオドレは…ここの家のもんはオレのことをよってたかっていじめる気か!!もういい!!オドレらをのろい殺すから覚悟しとけよ!!殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる…殺してやるーーーー!!」
まさよしは、ワーッとさけびながら家を飛び出して行った。
きちがいのまさよしを見たまさゆきは、まさよしを冷めた目付きでにらみつけていた。
この時、まさよしが経営している建設会社がかたむいていたことに加えて、強引なジアゲが原因によるトラブルを起こしたので、ケーサツや地検から追われていた。
その上に、家庭内にくすぶっていた深刻な問題が放置されたままになっていた。
家庭崩壊へのカウントダウンが始まったようだ。
ところ変わって、宮城野区のフェリーターミナルの近くにある結婚式場のチャペルにて…
この日、まさゆきが勤務している銀行の本店のOLさんと宮城野区内の消防署に勤務している消防士さんの男性の挙式が執り行われていた。
二人は、OLさんと消防士さんのお見合いイベントで知り合って、2ヶ月のお付き合いをへて結婚を決めた。
おめでたいムードに包まれている中で、深刻な事件が発生した。
OLさんの恋人さんが、OLさんを奪い取った後、その場から逃げ出した事件が発生したので、チャペルは大混乱が発生した。
それから数分後に、パワーショベルの音が聞こえて来。
(グォーングォーン!!ドドドドドドドドドドドドドドドド…バキバキバキ!!ガシャーン!!ガシャーン!!ギャー!!ギャー!!)
チャペル内にパワーショベルが突っ込んで来たので、参列者のみなさまが大パニックにおちいった。
パワーショベルに乗っていたのは、まさよしであった。
まさよしは、パワーショベルから降りた後ワーッ!!と叫んで、刃渡りの鋭いサバイバルナイフを振りまわして、新郎さんのお父さまとお母さまを殺した。
まさよしは挙式に出席をしていた新郎さんの職場の同僚の消防士さん数人にナイフで斬りつけて殺した。
事件を起こした後、まさよしは『オドレらの喜びの日は地獄絵と化した…ザマーミロ!!』と言うておしりぺんぺんして逃走した。
被害を受けたチャペルは、まさよしが以前発注していた南三陸町にオープンする予定であった結婚式場の手抜き工事でトラブルになった結婚式場会社が運営している施設であった。
事件の翌日のことであった。
ところ変わって、しほがパート勤務をしている病院の調理場にて…
ここ数日の間、調理場のパート従業員さんが休んでいるので、しほが不足分をおぎなう形で働いていた。
『子供が熱を出した』『ダンナが倒れた』『義母が転倒した』…
そう言った理由で休んでいるパートさんがいたので仕方ないと思っていたが、しほの気持ちはソートー疲れ切っていた。
入院患者さんの朝ごはんの調理が終わってひといきついたしほは、病院の女子トイレの洗面所でメイクをしていた。
その時に、しほはソウジのパートの女性と会った。
「しほさん…」
「ああ、おはようございます…」
「おはよう…毎日大変ね…」
「休んでいるパート従業員さんの分をアタシひとりでおぎなっているので…体がくたくたになっているのです…」
「あんまり無理しないでね…」
ソウジのパートの女性は、ひと間隔おいてからしほに言うた。
「しほさん…」
「はい…」
「昨日、宮城野区の結婚式場のチャペルでショベルカーが突っ込んだ事件のこと、ご存じかしら?」
「えっ?本当なの?」
「本当よ…あの事件で新郎さんのご両親がショベルカーに乗っていた男に刃物で殺されたのよ…あと、結婚式に出席していた新郎さんの職場の同僚も殺された…出血多量で心肺停止になっていた新郎さんが、今朝方亡くなられたのよ…今さっき…病院の表玄関に…葬儀屋さんの寝台車が止まっていたから…まさかと思っていたのよ…」
「何でこんなことに…」
「新郎の消防士さんは、お見合いイベントで銀行のOLさんと知り合って…お付き合いをして結婚を決めたのよ…そんな中で深刻な事件に巻き込まれて亡くなったので…」
「それがどうかしたと言うのでしょうか…」
「しほさん…」
「新郎さんのお嫁さんは…まさゆきが勤務している銀行の本店のOLさんでしょ…」
「そうよ…」
「だから断ったのです!!」
「断ったって?」
「まさゆきは、銀行の本店勤務を断ったのよ!!」
「まさゆきさん…銀行の本店勤務をどうして断ったのかな?本店に行けばOLさんがたくさんいるのよ。」
「OLさんはたくさんいても、お見合いイベントで消防士や警察官などに取られてしまうから断ったのよ!!」
「もったいないわねぇ…それじゃ、まさゆきさんはいつになったら結婚に向くのかしら?」
「そんなの知らないわよ!!うちにはお嫁さんはひとりいれば十分です!!」
「それじゃ、まさゆきさんはお嫁さんはいらないのね。」
「まさゆきのことを思ってくれる女性はいなくなったのよ!!」
「どうして決めつけるのよ?」
「決めつけなんかじゃないわよ!!理由があるから言うたのよ!!…こんなことになるのだったら汚い手を使ってでも、まさゆきを医大に入れるべきだったわ…低学歴・低収入・低身長…サイアクだわ…まさゆきは誰に似たのかしらね!!」
「あなたがまさゆきさんを低くみるようであれば、銀行なんかやめた方がいいわよ…銀行をやめたあとの再就職について、2つあるけれど、どうする?」
ソウジのパートの女性は、しほにまさゆきが銀行をやめた後の職場を2つテイジした。
「ひとつは…苫小牧にある製紙工場の段ボールおりのお仕事よ…先月、段ボールの人がふたりやめたので人手が足りないみたいよ。」
「お給料は…」
「銀行の時の4分の3かそれ以下かな…お昼のお弁当代と従業員寮の費用を差し引いて、1万円以下よ…それでもいい?」
「そんな…それじゃ、もうひとつは?」
「もうひとつは、原ノ町の建設会社だけど、お仕事は原発の廃炉作業しかないのよ…お給料は諸費用などで引かれて、残るのは3000円以下よ…休みなんかないわよ…廃炉作業は50年かかるから、死ぬまで現地(大熊町)でただ働きで廃炉や周辺の除せん作業するのよ…それでもいいかしら…」
しほは、ソウジのパートの女性に『まさゆきと話し合います…』とだけ言うたので、ソクトウはさけた。
ソウジのパートの女性からテイジされた超劣悪な仕事しかないと言うことを聞いたしほは、まさゆきにどのようにして説明をすればいいのか分からずコンワクしていた。
その日の夜のことであった。
しほは、ダンナにまさゆきの結婚問題に真剣に向き合ってとお願いした。
ダンナは『向き合っているよ…』とめんどくさ声でしほに言うて、カネをくれと要求したので大ゲンカを起こした。
「あなたね!!毎日毎日学会学会と言うて、逃げてばかりいるじゃないのよ!!まさゆきの結婚問題にシンケンに向き合ってと言っているのになんで聞いてくれないのよ!!あなた!!」
「話を聞いているよ…まさゆきの結婚相手は今、選び直しているところなのだよぅ…身丈に合った女医さんがいないから、こっちは困っているのだよ…」
「いいわけばかり言わないでよ!!あなたは病院の経営とまさゆきの結婚のことよりも医師会の会員さんのお医者さんたちと酒をのんだりゴルフに行くことが大事だと言うたからもう許さないわよ!!」
「しほ…」
「まさゆきのお嫁さんはアタシの一存で選ぶから…それだけは言うておくわよ!!」
しほは、ダンナに強烈な口調で怒鳴りつけたあと、背中を向けて部屋を出た。
10月13日の朝8時半頃のことであった。
まさゆきが出張所に出勤をしてきた時、上司の男性は本店に電話をしていた。
上司の男性は、まさゆきが本店で勤務できない事情を説明していた。
本店の人は、上司の男性の説明に対して『気持ちはよくわかりました』と言うたが、まさゆきが仕事のスピードが早いのでソクセンリョクになるので、本店に来てほしいと言うていた。
上司の男性は『12月1日よりよろしくお願いいたします。』と伝えた。
受話器を置いた上司の男性は、出勤をしてきたまさゆきに過度にやさしい声で言うた。
「ああまさゆきさん、ちょうどよかった…さっき本店から電話がかかって来たよ。」
「(イラついた声で)だからなに?」
「だから、本店のひとがまさゆきさんを正社員で登用するから来てくださいというていたよ。」
「(ますます冷めた声で)課長、あんた頭おかしいねぇ…病院へ行ったら?」
「どうしたのだね、本店の人が来てくださいと言うているのだよ…」
上司の男性がシツヨウに本店本店とまさゆきに言うたので、まさゆきは舌打ちしてからこう言うた。
「イラつくのだよあんたは!!本店本店本店本店…本店に行け!!うれしい顔ができないのか…きさまはバカか!?本店に行けば、いい特典があると言いたいのかボ!!」
「君は、上司に対してなんだその言葉づかいは!!私はいい特典がついているから本店に行けと言うたの!!」
「きさまの言ういい特典とは、何のことを言うのかよ!?」
「私は、まさゆきさんの近くに結婚相手がいないと言うから、助けてあげようと思って正社員登用で本店勤務をすすめているのだよ!!君はそれをけかえすと言うのか!?」
「ええ、そのつもりです!!」
「ああなさけない…正社員になったら結婚に有利になるのだよ!!本店に行ったらOLさんはたくさんいるのだよ!!」
「だけど、お見合いイベントは外部の男が対象だから、話しにならない…(小バカにする声で)あんた、頭いかれているから病院へ行けよ…」
「君は、どこのどこまで言葉づかいが悪いのだ…クソバカ野郎!!虫ケラ!!死ね!!」
上司の男性は、まさゆきに吐き棄てる言葉をぶつけたあと、外へ出て行った。
まさゆきは、思いきりキレていたので本店勤務を辞退するのと同時に、銀行をやめることを検討していた。
その日の夕方のことであった。
この日、まさゆきは職場放棄してブラブラして時間をつぶしていた。
まさゆきが家に帰って来た時であった。
家出してジアゲ屋になった兄・まさよしがひょっこりと家に帰っていたところを目撃した。
この日も、しほは病院の調理場の仕事がいそがしいの家に帰る時間が遅くなる。
その上に、父親も学会だと言うて家を出たきり帰っていなかった。
この日も、まさはるの妻が家に来てまさゆきの晩ごはんを作っていた。
まさはるは、取引先の会社とトラブったので、後始末をするために急きょ函館へ出張に行った。
後始末が完了するまでの間、まさはるは帰ってこない…
まさはるの妻は、夫が帰ってくるまでの間まさゆきの晩ごはんを作ることになっていた。
しほも、人手が足りないので一日中調理場にいて、入院患者さんの食事を作る状態が10日以上つづくようだ。
なので、まさはるの妻がまさゆきの晩ごはんを作ることになっていた。
事件は、その時に発生した。
まさよしがひょっこりと帰って来たので、家の居間がシュラバと化していた。
まさよしは、まさはるの妻にカネのムシンをしていたので、そのことが原因で大ゲンカになった。
「おカネ…何でおカネがいるのですか!?」
「なあ、頼むよぉ…この通りだ…オフクロとオヤジにはだまってくれないかなァ…」
「だまってくれないかなァって…それ、どういう意味なのかしら!!」
「どういう意味って…建設会社がかたむいているので困っているのだよ…経営は火の車状態なのだよ…亘理の護岸工事の入札を取り消された上に、ジアゲをした土地の運用方法が分からない…その上に、カブに失敗して資金を溶かしてしまった…助けてくれぇ~」
まさよしは、泣きそうな声でまさはるの妻に助けを求めていた。
まさはるの妻は、キーッとイラついた表情でまさよしを怒鳴りつけた。
「あんたね!!いいかげんにジアゲ屋から足を洗いなさいよ!!あんたがヤクザだから入札を取り消されたのでしょ!!バクチを繰り返していたから、会社が火の車状態におちいったのでしょ!!」
まさはるの妻の言葉を聞いたまさよしは、逆ギレを起こた。
「何だと!!今オレのことを何て言うた!!」
「ヤクザをヤクザと言うたらいかんのかしら!!」
「何だと!!」
「あんたはチンピラの親分の子供だからまともな生き方なんかできないのよ!!」
「何だと!!そう言うオドレはエラいのかボケ!!」
「ボケはあんたの方でしょ!!あんたのせいでまさゆきさんにお嫁さんがいないのよ!!そのことがゼンゼン分かっていないわね!!」
「何やオドレは…ここの家のもんはオレのことをよってたかっていじめる気か!!もういい!!オドレらをのろい殺すから覚悟しとけよ!!殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる…殺してやるーーーー!!」
まさよしは、ワーッとさけびながら家を飛び出して行った。
きちがいのまさよしを見たまさゆきは、まさよしを冷めた目付きでにらみつけていた。
この時、まさよしが経営している建設会社がかたむいていたことに加えて、強引なジアゲが原因によるトラブルを起こしたので、ケーサツや地検から追われていた。
その上に、家庭内にくすぶっていた深刻な問題が放置されたままになっていた。
家庭崩壊へのカウントダウンが始まったようだ。