ノクターンⅡ

お風呂から出た私が コーヒーを淹れていると 智くんは 2階から下りてくる。
 
「ありがとう。お疲れ様。」

コーヒーを受け取った智くんは、
 
「色々、聞きたいでしょう。」

と私に笑いかけた。私も笑顔になる。
 

「帰ってきた時の智くん見て、大丈夫ってわかったから。」

だから、何も言わなくてもいいよ。

疲れているなら、ゆっくりして。

私は智くんを見つめた。
 


「さすが、麻有ちゃん。お見通しだね。最初は やっぱり緊張したけどね。大丈夫だと思う。やっていけそうだよ。」

智くんは、晴れ晴れした笑顔で言った。
 
「よかった。」私は 智くんを抱きしめた。

しばらく 黙って抱きしめていると、
 

「すごい。パワーがチャージされた気がする。なんだろう これ。」

智くんは、私の胸で言う。

私はじっと、智くんの頭を抱く。
 

「よし、交替だよ。今度は 麻有ちゃんにチャージしてあげる。」

智くんは、私の頭を胸に抱く。

智くんの鼓動を聞いていると、不思議と心が落ち着いていく。
 

「本当だ。何か私も チャージされた気がする。すごいね。」

私達は、声を上げて笑ってしまう。




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