ノクターンⅡ
26

ハワイで迎える3日目の朝。

早起きの私達は、4人で近くを散歩する。


たった3日しか経っていないのに 異国で過ごす時間は 子供達を逞しくしていた。
 

壮馬は、自分を “僕” と言うようになっていた。

ずっと一緒にいる樹君達を真似て。

一生懸命 付いて行く姿が 微笑ましい。


そんな 細やかな成長に 智くんと顔を見合わせて 笑ってしまう。
 


子供達を挟んで 4人で手を繋ぐ。

朝の影は長くて 目の前に伸びるその姿に みんなで笑う。
 


「今日は、イルカさんと泳ぐよ。大きいから びっくりするよ。」

智くんが 子供達に言う。

パーク内のプールだけれど イルカと一緒に泳ぎ 触れ合うことができるらしい。
 

「イルカさんは、とても頭が良いの。先生が言っていたよ。」絵里加が言う。
 
「壮君、キスされたら、どうする?」智くんが、聞く。
 
「僕も、イルカさんにキスしてあげる。」
 
「わあ。イルカさん、喜ぶね。」
 
「絵里加と壮君で、両方からキスしてあげようね。」

絵里加の可愛い提案に 癒される。
 


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