ノクターンⅡ
ゴールデンウィークには、軽井沢の別荘に行く。

お父様達やお兄様達も一緒で、賑やかな楽しい時間。
 


智くんは、子供達に色々な体験をさせてくれる。

牧場で馬に乗ったり 博物館に行ったり。

夜は、別荘の庭でバーベキュー。
 


「そろそろ、この別荘も建て替えしないとね。紀之が生まれた時に建てたから、まもなく40年だよ。」

食事をしながら、お父様が言う。
 

「そんなに経つの?綺麗だよね。お父さんの管理がいいからだね。」

智くんが言ってくれる。父は、嬉しそうに笑う。
 


「今の建築は、高断熱だから 冬でも暖かいらしいよ。そうすれば、子供達とスキーに来ても使えるね。」お兄様も言う。
 
「真剣に考えようか。」と言うお父様に、
 
「腕のよい工務店、知っていますから。良かったら、紹介しますよ。」父が言う。
 
「それは、ありがたい。是非 お願いします。」

お父様の言葉にみんなが頷く。
 


「ちょっと寂しいですね。これ、解体しちゃうの。」

私は、しんみりと言う。
 


「そりゃ、麻有ちゃんは 寂しいでしょうね。思い出の別荘だもの。」

と、お母様に笑われる。
 

子供達が大きくなったので 3家族で使うと 確かに狭く感じる。

新しい別荘は、ちょうどよいタイミングだろう。


これから子供達と、たくさん使う為に。
 


< 185 / 228 >

この作品をシェア

pagetop