ノクターンⅡ

「斉藤主任、素敵な人だね。子供を財産って思えるの。確かにそうだよね。お金で買えないし。」

私は、智くんが “子供達は麻有ちゃんの要素がいっぱいだから” と言ったことを思い出す。

私達二人のすべてだから。だからこんなに愛おしい。
 

「麻有子達は、どうして 2才違いで二人目を産んだの?」美咲に聞かれて、
 
「それが、たまたまで。思いがけなく出来ちゃったの。」

絵里加に授乳していた時は 特に気を付けなくても 妊娠はしなかった。

私は断乳後、生理を見ずに 壮馬を妊娠した。

美咲は、驚き、そして笑う。
 

「二人目不妊で悩む人もいるのに。」と。
 
智くんと私は、絵里加が産まれてからも 熱く求め合っていたから。

出産して さらに歓びは 濃密になっていたから。
 
「だから、壮馬を産んだ後は 気をつけているわよ。」私は照れて言う。
 


「自然に任せるか。それもいいよね。できたら産む。その時は、仕事を辞めて。できなくても、詩帆がいるし。」

美咲は、晴々とした顔をする。
 

「意外に来月あたり、できちゃったりしてね。ほら、美咲達も、ラブラブだから。」

私も笑って言う。
 

「麻有子と話すと、気が晴れるわ。麻有子セレブなのに、庶民の感覚も理解してくれるから。」

美咲に言われて、
 


「ほら、私、玉の輿だから。」と笑う。


 
みんな、それぞれに背負う物があり 迷い悩みながら、生活している。



そして、愛する家族が それを支えてくれる。
 
 
 


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