ノクターンⅡ
32

私が40才を迎えた年、絵里加は6年生 壮馬は4年生になっていた。

壮馬も絵里加と同じ小学校に合格し、元気に通学している。
 


お兄様が社長を引き継いだ廣澤工業は 順調に利益をあげていた。

智くんは、副社長として 経営の片翼を担う。
 

あえて規模を拡大せず 業績を上げる事に力を注ぎ。

3割以上利益を増やしたことは 社会的にも評価されていた。
 


智くんが主張した経営方針。

現状の社員を信用して その能力を引きだす事。

そして、法令を順守することで 優良企業と評されていた。
 


お兄様と智くんは マスコミや経済誌などに 取り上げられることもあった。

それは、会社の信用と宣伝になるからと 積極的に対応していた。


業界では “廣澤兄弟” と呼ばれ ちょっとした有名人になっていた。
 


< 192 / 228 >

この作品をシェア

pagetop