悪役令嬢って何をすればいいんだっけ~破滅フラグは全力で回避します~
熱が下がって鏡を見た時ハッとした。

あ、悪役令嬢顔だ。

ライトノベルにありがちな、この顔は例のあのゲームの!とかこの小説のあの令嬢!とかあの漫画の………なんて記憶は、いっさいない。

ただ、私が死んだとき悪役令嬢転生ものがやたらと流行っていたからきっとそうだ!

「カーディナル様‼ まだ、起き上がられてはいけません‼」

「カーディ! 熱を甘くみたらいけないよ‼」

突然部屋に入ってきたメイドのマーシャと兄に怒られて私はベッドにもどされた。

カーディナル・ブラウローズが今の私の名前だ。

ああ、典型的な展開でいくなら王子様と婚約からの婚約破棄だろう?

宰相の娘からすると、ありがちだ。

だけど、問題がひとつ。

私、悪役令嬢転生もののと言ったらライトノベルしか読んだことがない。

そう、私は乙女ゲームをしたことがないのだ‼

え〜と、悪役令嬢ってなにをすればいいんだっけ?

私はベッドの中でそればかりを考えていたのだった。
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