きっとこれは眠れない恋の証明。
──芝波桜は…撃たない。黒瀬を亡くして、半身をなくしたままこれから一人で生きて…苦しみ続けるんだ…。
ふと、そんな倉掛君の言葉が脳裏にフラッシュバックする。
…半身。
そうだ、京は私の半身だった。
物心ついた時から、ずっと側にいたから、お互いにずっと一緒にいたから、ずっと満たされていてその事に気がつけなかった。
こうやって引き剥がされてようやく、ようやく気がつく。
京、お願い、早く目を覚まして。
半身がなきゃ、生きてはいけない。
「……?」
ガタっと扉が開く音がして、人の気配に気がついた。振り向くと、そこには花を抱えた羽水社長が立っていた。
「…羽水社長、こんにちは」
そう言って笑顔をつくる気力もなく挨拶をすると、そんな私を見て羽水社長が目を見張ったのが分かった。
「…芝波さん、ちゃんと食べてる?痩せたように見えるけど」
「…..…。」