きっとこれは眠れない恋の証明。


色んな人の人生を狂わせる…。


本当にその通りだ。


芝波社長。黒瀬さん。千葉君。砂川さん。



───倉掛の言ってた事が本当なら、砂川さんも辛いな。


ふと、裁判が終わって羽水社長が言った一言が蘇る。

倉掛くんが言っていた通り、砂川さんが芝波社長の事を好きなら、こんなに残酷な話はない。
砂川さんはきっと、もう芝波社長に好きだなんて言えなくなった。



…でもそれは、貴方も同じなんじゃないですか、羽水社長。



「ん、どうした?」

「あ、いえ…なんでもありません」


言われて、運転席に座る羽水社長の事を無意識に見つめていた事に気づき急いで視線を正面に戻した。
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