二度目の結婚は、溺愛から始まる
二度目のプロポーズ


一年目は、泣きながら過ごした。

二年目は、瑠璃の子どもの世話に追われ、あっという間に一日が過ぎて、夜になって少しだけ泣いた。

三年目は、お店の常連さんのホームパーティーでさんざん酔っ払って、気がついたら朝だった。

四年、五年、六年……。

月日が経ち、いつもと変わらない一日を過ごして、「その日」をなるべく意識しないようにする術を身につけた。


それでも、忘れることはできなかった。

忘れてはいけないと思っていた。



でも、今日からは、「忘れたくない日」になる。



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