twilight sinfonia
部屋の隅にはメイク道具をたくさん置いてある。
それぞれのボックスに、それぞれの今まで買ったやつたち。


……冷房ついてないから、暑くてたまんない。


丁寧に整頓したその中から必要なものを集める。


……んー。琉星のライナーほとんど残ってないな。
瀬那のこの前使ったシャドウあんまり合ってる感じしなかったから、変えた方がいいのかな。


「あっ、みっけ」


30分くらい化粧道具とにらめっこをしていると、快斗が会議室に入ってきた。


「どしたの?」
「今日の夕ご飯お願いしていい?深優がどうしてもご飯行きたいって言ってるから」
「あぁ、うん。いーよ。楽しんできて」
「さんきゅ、ごめんな」


チキン野郎だった。
深優のわがまま聞いてあげるくらい好きなのに、どうして告白しないかな。
当たって砕けろでしょ……人のこと言えないけど。


私は発注したいものをなすちゃんに送る。
経費で落として欲しいから、なすちゃんに買ってもらって、宛名はこっち。
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