twilight sinfonia
そうしてようやく、暑い会議室から出てリビングのある上の階に。


「は?汗だくじゃん」
「あ、うん。会議室にいたから」


キッチンから瀬那が驚いた顔をしてこっちを向いた。
琉星と快斗はまだ帰ってないぽい。


「……お茶いる?」
「あ、欲しい」


瀬那はコップにお茶を注いで、私にくれた。
ついでにタオル。


「汗だくだな、ほんと」
「流石にこの時期は暑いね。背中もびちゃびちゃな感じするもん」


メガネを外して、顔を拭く。
柔軟剤の香りが鼻をくすぐる。


「どう?メイクとか、滞りなく?」
「いい感じだよ?」
「そか、それはよかった」


ぼやけた視界で瀬那は笑って私の頭を撫でる。
……やば、今めっちゃ意識した。


無理だ、恥ずかしい。
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