twilight sinfonia
わざわざ女子っぽい高い声で挨拶して狙いに来てる男、快斗。そして視線だけでそれを瑠南にも強制する悪魔。


「あっ、えっと……入倉瑠南です、メイク衣装、掃除、マッサージ担当、動画編集、あっあと、配信用のインスト作ってるのも私。るなちって呼ばれるのが多いのかな?」


ノリがいい瑠南はロリボでキャピつく。
……このノリで回ってくるのは結構きつい。


「柏原瀬那です、作詞作曲、編曲担当」
「瀬那はあれだよね。せーなちゃんって呼ばれてるよね。ファンの子達に」


……俺らの愛称は5人配信に乗り込んできた紗成くんがつけてくれたもので、思いの外浸透してしまって愛称化した。


「あっ頑張って覚えますね!」
「普通に名前で呼んでくれたらいいですけどね?」


笑う琉星にそうですか?と首を傾げるさくらちゃん。
天然的なあざとさを感じる。


ふと、隣に立つ瑠南を見下ろす。
瑠南もこっちを向いていた。


「どした?」


小さめの声でそう聞くと、どうしよう、と呟いた。
< 346 / 393 >

この作品をシェア

pagetop