twilight sinfonia
返事なんかしてないのに、勝手に進むLINE画面。
……ちょっと怖い。


正直、瑠南以外の女なんか、人間としてしか捉えてないからなんとも思わない。
関わらなきゃいけない人以外は、関係者としての土俵にも入れたくないくらいどうでもいい。


歌い手の方は快斗繋がりなだけであって、俺に直接的に関係ないし、共同制作することもなければ、共演することもないと思う。
快斗からの持ち込みだったら話は別だけど。


回りくどい言い方になったけど、わかりやすくいうと、返さなくていい連絡は返したくない。取らなくていい電話は取りたくない。
……放置だわ君、ごめん。


作業部屋まで歩きながら、そんなことを考えてスマホをポケットに突っ込む。
作業部屋のドアを開けると、瑠南がパソコンの前でスマホを見ていた。
どうやらパソコンの起動待ちっぽい。


「ねぇ、瀬那?」
「何」
「あの子、連絡来てんでしょ?」
「うん」
「返した?」
「返してない」
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