熱海温泉 つくも神様のお宿で花嫁修業いたします
 

「……雨が降るのは、傘姫の心が泣いているからだと、以前、常世の神が言っておったのぅ」


 モフモフの尻尾を揺らしながら、ぽん太が寂しげに呟く。

 真っ白な空には虚無感だけが広がっていて、何故だか花の心まで影がさしたような気持ちになった。


「傘姫の心が泣いているって──」


 どういうことですか?と、花は思わずぽん太に尋ねようとした。

 しかし、それはまた斜め前に立つ八雲によって遮られてしまい、口に出すことは叶わない。

 
< 214 / 405 >

この作品をシェア

pagetop