熱海温泉 つくも神様のお宿で花嫁修業いたします
「……雨が降るのは、傘姫の心が泣いているからだと、以前、常世の神が言っておったのぅ」
モフモフの尻尾を揺らしながら、ぽん太が寂しげに呟く。
真っ白な空には虚無感だけが広がっていて、何故だか花の心まで影がさしたような気持ちになった。
「傘姫の心が泣いているって──」
どういうことですか?と、花は思わずぽん太に尋ねようとした。
しかし、それはまた斜め前に立つ八雲によって遮られてしまい、口に出すことは叶わない。