悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 考えてもみなかった。アンドレアスが、レオンティーナに改めて縁談を申し込むなど。
 だって、アンドレアスにしたら、レオンティーナは押し付けられた妃でしかなかったはず。今さら、レオンティーナに求婚するなんて……。

(いえ、それは前世の話だもの)

 前世のレオンティーナは、ただの大公家の娘でしかなかった。今はそこに、皇帝のお気に入りの娘という付加価値が追加されている。

「貴族達も、お前に興味を持っている者が増えている。俺と結ぶつもりはないかと聞いているんだ。愛情なんてくだらないものは求めていない」
「そう言われても……」

 アンドレアスに恋愛的な意味での好意を持ったことは一度もない。

(……ここで、私がどう返事をするのが一番いいのかしら)

 けれど、今、この場でアンドレアスを敵に回すのも得策ではない。
 周囲の目が、こちらに突き刺さっている。こんな場で、縁談の打診をするなんて――レオンティーナが逃げられないようにということだろうか。

「――それは困るな、兄上」
「ヴィルヘルム様!」

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