悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 父との手紙のやり取りから、レオンティーナはそう結論付けていた。

(……それなら、お母様をロアに呼べばいいのよ。ついでに、私も一緒に呼んでくれればいい)

 本当に、どうしようもないなと思いながらも、父に救いの手を差し出してしまうのは。
 レオンティーナの中でも、何かが変わり始めているのかもしれない。

(そうよ、ロアに行けば面白いお芝居もいっぱいあるし、素敵なお店だってたくさんあるんだから)

 何もこのままバルダート領に引っ込んでいる必要はないのだ。
 明日には母の返事を持った使者が、ロアに向けて出発するだろう。その前に返事を書けば、一緒に父のところに届けてもらえる。
 真っ白な地に、金色で線の入った便箋を取り出し、ペンを手に取る。

(……お父様に会いたいって書けばいいのよね)

 まずは、父が帰ってこないからさみしいこと。母もさみしがっているように見えること。
 ロアでは評判の芝居がかかっていると聞いたからそれが見たいこと。
 さらに、乗馬を習いたいので、いい馬はいないかとも書き記す。
 それから、最後にレオンティーナが書いたのは。
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