悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 レオンティーナの言葉に返す、ソニアの声は小さかった。気後れしているのかもしれない。レオンティーナは、ソニアを観察した。
 こげ茶色の髪に茶色の瞳。ちらりとレオンティーナを見て、また地面を見つめ始める。手は落ち着きなくスカートをこすり続けていて、今のソニアの動揺を表している。

(……そうね、あの時もこんな顔をしていた)

 結婚指輪を渡した処刑の朝。ソニアは、今と同じような顔をしていた。ソニアにとっては初対面であったけれど、レオンティーナにとっては違う。

(……本当に、会えた。生きていてくれた)

 目元が潤むのを感じ、慌ててレオンティーナは表情を引き締めた。ここにいるのは、牢に入れられた皇妃レオンティーナではない。バルダート大公家のレオンティーナだ。

「そう、ソニアね。ありがとう。邪魔をして悪かったわ」

 行ってもいい、と顎をしゃくることで合図する。
 その意をくみ取ったソニアはぺこりと頭を下げ、慌てた様子で走り去ろうとした。だが、走り始めたとたん、何もないところで躓いて、顔面から地面に突っ込む。
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