悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 もし――もし、もう一度今の人生を歩むことができたなら。今度は絶対に間違わない。

(ねえ、神様)

 自分でも、信じていない神に心の中で問いかける。
(もう一度……人生をやり直すことができたなら――今度は私、失敗しない)

 処刑台に、膝をつき、首切り役人に首を差し出す。

(今度は、もう少しいい皇妃になるから――だから)

 首筋に一度、冷たい刃の感触が触れ――一度離れていくのを感じ取る。

「早く切れ!」
「殺してしまえ!」

 集まった人々の声が耳に届き――次の瞬間、レオンティーナの意識は真っ黒に塗りつぶされた。

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