僕の1番大切な人【リニューアル版】
ピンポン


インターフォンにしばらく返事がない。


『やっぱり居ないか…』


そう呟いたその時。


『凌馬君、どうしたの?』


姉さん!


買い物に行ってたようで、姉さんが自転車で帰ってきた。


『ごめん、急に。授業が早く終わって、バイトもなくて、なんか暇で寄ってみたんだ』


『そうなんだ。良かったわ、さっき、あの人から電話あってね、急に出張になったから、今日は帰れないって言われて』


『出張?...そっか…』


兄さんから、たまに、出張に行くとは聞いていたけど…


…ってことは、今日は…姉さんと2人きり?


『でも買い物済ませちゃって、今日はブイヤベース作るつもりで、新鮮な魚介をたくさん買っちゃったから、どうしようって思ってたの』


『ブイヤベースって…何?』


つまらない質問だ。


『ブイヤベース知らないの?』


姉さんは、屈託のない笑顔で笑う。


本当に…ズルいよ。


そんな可愛い笑顔を見せられたら、僕は、もっと姉さんを好きになってしまう…
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