楓彩る頃思ふ
協力とは
『協力?』
天馬「そうそう。僕達…先生もなんだけどね、ちょっと普通じゃないことしてるんだ。だからそれに協力して欲しくて」
普通じゃないこと…とは、危ないことなのだろうか。
危ないことに私は巻き込まれるのだろうか…それは断らせて欲しい。
そう思いながら口を開こうとしたその時、新道先生が天馬くんの頭をスパーンと叩く。
新道「言い方が言い方なんだよてめえは!!ったく…一人で言わせなくて良かったな…」
天馬「いったー、酷いですよ先生。そう言うのなんて言うか知ってます?体罰ですよ」
新道「自ら望んで教師やってるんじゃねぇよ」
自ら望んで教師やってるわけじゃない…?
どう言うことだろうか、と考えながら二人を見つめていると、その視線に気が付いたのか私の方を見てくる二人。
天馬「ごめんごめん、もう少し詳しく話すね?」
『…お願いします』
そう言えば、近くの机に座りながら少し視線を落としながら話し始める。
天馬「僕達はね、“解決屋”なんだよ」
『…解決屋…?』
天馬「そう、解決屋。怪奇現象とかを解決して行くって言う内容だよ」
…怪奇現象?つまり、この人は…
『…幽霊とか都市伝説とか、そう言うものを信じているんですか』
天馬「勿論。それだけじゃなく、妖怪とか幻獣とか…神様とかも信じてるし、前世や来世とかも信じてるよ」
嗚呼、痛い。
彼の言葉を聞き、その感情で頭がいっぱいになる。
勿論何処かを痛めたわけではなく…この人の言葉が、“痛い人”の言う言葉な気がして仕方がないのだ。
何を言っているのか、本当に訳が分からない。
居るわけないだろう…幽霊も、妖怪も、幻獣も…神様も、何も。
幽霊だけならまだしも、それ以外など余計に信じられるはずがないと言うのに。
下らない、馬鹿馬鹿しい、つまらない、興味がない。
そんなことを考え、少し溜息を吐く。
天馬「あ。もしかして信じてない人?」
『…そうですね、信じられないです。そんな科学的に証明出来ないことは信じない質なもので』
そう言えば、けらっと笑いながら私の方を見てくる。
天馬「うん、それでも君に手伝って欲しいんだ」
『…どうして、私なんですか?』
天馬「えー…勘、かな?」
勘…そんなことで私をそんなにも下らないことに巻き込もうとしているのか。
やめて欲しい、そんな時間があるのなら他に回したい。