エリート御曹司が花嫁にご指名です
 彼女の結婚式の衣装を決めるのは俺も楽しみで、店内のドレスをあれこれ言いながら見て回ったところで、朝香からの電話だった。

 息子が階段から落ち、ひどく足を痛がっているとの連絡。電話の向こうでどうしていいのかパニックに陥っている彼女を、俺は一条総合病院へ行くように伝えた。整形外科医の壮二に診せるつもりで。

 電話を終え、汐里には緊急の用事と言い、打ち合わせをしている彼女をそこへ置き去りにしてしまった。

 俺は店を出ると、壮二に電話をかけた。自宅で休んでいた壮二は、わかったと了承して電話を切った。

 患者を頼んだ手前、病院へ行き、様子を見てから汐里と合流しようと考えていた。

 病室では、壮二と看護師がいて、右足関節骨折の説明の最中だった。

「なにか困ったことがあったら、このお姉さんを呼ぶんだぞ」

 壮二が一歩後ろに立つ若い看護師を示した。

「はい! パパ」

 朝香の子供は、壮二に笑顔で答える。壮二は面食らった顔になるが、すぐに顔を緩ませた。

「すみませんっ。この子、父親くらいの男性を見ると、すぐに『パパ』と言ってしまうんです。聖、ダメでしょ。聖の足を治してくれるお医者さまよ」

 朝香は慌てて壮二に謝り、息子を諭す。

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