俺と、甘いキスを。

会長が立ち止まり、ゆっくりと振り向く。
その顔は、オセロの時に見せた笑顔に近い。
「花さん、ここで失礼するよ。今度は蒼士と一緒に食事をしよう。じゃあね」
穏やかな声でそう言って、歩いていった。

稲森さんが私をじっと見て、すぐに会長の後を追う。ここで話しかけようものなら、噛みつかれそうだ。
しかし会長を守る者ならば、それくらいの威嚇は当然かもしれない。





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