【女の事件】豚小屋

第3話

ところ変わって、愛知環状鉄道の新豊田駅のすぐ近くにある病院にて…

時は午後3時前のことであった。

よしえは、あやみと重朝夫婦の家から病院に出勤した。

よしえが到着した時、調理場では晩ごはんの仕込みが行われていた。

遅れて調理場に入ったよしえは、居合わせた事業主の男性から『遅いぞ!!』とどやされた。

よしえは『すみませんでした。』と一言あやまった後、晩ごはんの仕込みに取りかかった。

事業主の男性は『特別室の(問題の男性患者さん)さんの晩ごはんは作るな。』と言うた後、口笛をふきながら調理場をあとにした。

よしえと従業員さん3人は、口笛をふきながら調理場をあとにした男性経営者を冷めた目付きでにらみつけた後、口々にこう言うた。

「社長はなに考えているのかしら!!」
「ホンマやねぇ!!」
「公私混同はゴハットだと言い出しっぺの社長が公私混同しているのよ!!」
「うちらパート従業員さんたちをグロウしているわねぇ!!」
「ホンマやねぇ!!」
「うちら、今の会社に来て損したわ!!」
「ホンマやねぇ!!」
「なんでこんな豚小屋へきたのだろうか!!」
「ホンマやねぇ!!」
「お給料上げるお給料上げると口先だけで言うておいて、1円も上がったことがないわね!!」
「通勤手当て出すと言うのも大ウソよ!!」
「従業員さんたちの給料を食い物にしておいて、なにが『公私混同はゴハット…』…かしらねぇ…」
「ホンマやねぇ…」
「病院の院長は何考えとんかしら!!」
「ああ!!あの特別室の男性患者のことよね!!」
「おもゆとスープはいややと言うていたあの特別室の男性患者ね!!」
「自分の体調をよーく把握していないみたいだから、そのうちくたばるとおもうわよ!!」
「ホンマホンマ!!はよくたばってほしいわ!!」
「(男性患者さん)さんの奧さまがきついからわがまま言うのよ!!娘3人も心の底から冷たいからなおアカンねぇ~」
「ホンマホンマ!!」
「あかんと言えば、(どぎついメイクをして出勤している女性従業員)さんもそうよねぇ。」

従業員さんたちは、どぎついメイクをして働いている女性従業員さんの悪者を言いまくっていた。

「あのコ、きのうに続いて今日も理由なく休んではるわね!!」
「何考えとんかしら!!」
「ホンマホンマ!!」
「あのコ、短大卒業よね!!」
「名古屋のエエトコのオジョーサマ短大卒だったわね!!」
「あの短大は、福祉関係の専門だったわね!!職場実習先の老健施設であられもない実習をしていたのよ!!」
「ホンマホンマ!!」
「社長もあかんねぇ!!」
「あのコは短大を遊び場につこてはったんよ!!」
「せやせや!!シューカツせずにブラブラブラブラブラブラブラブラ!!」
「あのコ!!うちらのことをグロウしてはると思うわよ!!」

パート従業員さんたちは、理由もなく休んでばかりいるパート従業員さんの悪口言いまくっていた。

よしえのパート勤務が終わるのは、晩ごはんの仕込みから入った場合、翌朝の朝ごはんの後片付けが終わる頃であった。

1日15~17時間の激務で、激安のお給料だから、しゅうさくと一緒に過ごす時間がまったくないのでよしえは困っている。

それなのに、あやみや重朝たちはよしえをナマクラ呼ばわりするので、理解してもらえない。

息子と一緒に過ごす時間がほしい…

アタシ、一生懸命になって家族のために働いているのに…

妹とダンナの家の人たちは、アタシをナマクラ呼ばわりする…

朝ごはんの後片付けが終わった頃であった。

よしえは、ものすごくつらそうな表情で拳母(こもろ)町にある家に帰って来た。

よしえが家に入った時であった。

家の寝室に、夫が寝ていたふとんが乱れていたのと同時に、夫が連れ込んだ女が着ていた下着が散乱していた。

同時に、女が使っているブランド物のハンドバッグと大きめのスーツケースが置かれていた。

浴室に夫・ゆういちろうと女が一緒にお風呂に入っていた。

風呂場から、女の泣き声が聞こえていた。

どうして…

どうしてダンナは…

アタシ以外の女を…

家に入れてるのよ…

アタシのことは…

もうキライだと言いたいのね…

そう思ったよしえは、夫と離婚することを決意した。

そこへ、職場から電話があった。

昼ごはんと晩ごはんの仕込みの人手が足りないから来てくれと職場から言われたよしえは、しぶしぶとした表情で再び病院へ行くことにした。

よしえが再び病院に着いたときであった。

この時、どぎついメイクをしている女性従業員さんたちを他のパート従業員さんたちが取り囲んでいた。

従業員たちは、どぎついメイクをしている従業員さんを口々に攻撃をした、かわるがわるに平手打ちで顔を叩いた後『あんたはやっぱり栄へ行った方がよかったみたいねぇ~』と言うて、金銭を巻き上げておいだした。

どぎついメイクをしていたパート従業員さんを追い出した他のパート従業員さんたちは『あ~うらみが晴れたから、楽になったわ~』と言うたあと、仕込みの仕事に取りかかった。

ものすごくつらそうな表情で着替えをすませたよしえは、調理場へ入った。

そしていつも通りに、入院患者さんのごはんに取り組んでいた。

昼ごはんの時間になったので、出来上がった料理を大型の保温ケースに入れて病室まで持って行った。

しかし、よしえはその時にトラブルに巻き込まれた。

よしえは、特別室の男性患者さんの部屋におもゆとスープを持っていった。

その時に、男性患者さんの奧さまが『なんでいらんことするのよ!!』と言うてすごまれた。

男性患者さんの奧さまは『おもゆとスープをさげなさい!!』と言うた。

しかし、よしえがハンロンしたのでこじれてしまった。

「あなたね!!主人は病院のごはんはイヤだと言うているのに、なんでいらんことするのよ!!」
「ですから、ご主人さまは胃を3分の2以上摘出した直後で安定していないからふつうの食事ができないから、普通の食事をお出しすることができません!!」
「主人の食事をどうして決めつけるのよ!!」
「それなら、病院の栄養士さんに言うてください!!」
「もういっぺん言うててみなさいよ!!下請けの業者のパート従業員のぶんざいでえらそうに言うたわね!!」

よしえは、男性患者さんの奧さまの言葉にブチ切れていたので『それだったら、退院しなさいよ!!』と言い放ったあと、おもゆとスープを投げつけて攻撃した。

その後、よしえは怒って病室から出て行った。

この後、問題の男性患者さんがいる特別室にひつまぶしの出前の男性が入って来た。

よしえは、あかんべーをしてその場から立ち去った。

よしえのパート勤務は、7月18日までの間にかけて休みなく続いていた。

その間、従業員さんたちはため込んでいたがまんが許容範囲を大きくこえていた。

7月18日の夜6時過ぎのことであった。

ところ変わって、小坂本町にあるあやみと重朝夫婦の家にて…

家の食卓には、あやみと義母としゅうさくの3人がいた。

テーブルの上には、あやみのお手製の料理が並べられていた。

重朝と重秀と義父が家に帰っていなかったので、義母がひどくイラついていた。

しゅうさくが泣きそうな声で『ごはん食べたい。』と言うた。

義母は、あやみにイラついた声で言うた。

「あやみさん!!あんたは何考えているのかしら!!重朝と重秀とおとーさまが帰ってこないから困っているのよ!!」
「義母さま!!アタシだってつらいのです!!」
「いいわけばかりを言わないでちょうだい!!あんたの態度が悪いから重朝と重秀が家でごはんは食べなくなったのよ!!あやみさん!!すぐに電話しなさい!!」

義母に怒鳴られたあやみは、重秀のケータイに電話をかけた。

重秀は、めいてつ豊田市駅の近くの商店街にあるマージャン店にいて、職場の仲間3人とかけマージャンに夢中になっていた。

なので、電話に出れない…

あやみは、重朝のケータイに電話をかけた。

重朝は、職場の上司のお供で伊良湖岬の近くのゴルフ場へ行ってた。

取引先の会社の社長の主催のゴルフコンペに参加していた。

電話がかかってきたとき、ゴルフ場の近くにある割烹旅館にいた。

この時、社長さんのお酒のお付き合いをしていたので、ケータイが鳴っていたことに気がつかなかった。

なので、あやみは割烹旅館に電話をかけた。

旅館の人が電話の応対をしていた。

旅館の人は『ご主人さまに折り返し電話をするようにお伝えしますので…』としか言わなかったので、あやみはひどくいらだっていた。

その上義父も、帰りが遅くなると言うことであった。

家庭内の人間関係は、危機的な状況におちいった。

どうすればいいのよ…

どうすればいいのよ…

アタシ…

こんなことになるのだったら…

結婚なんかしない方がよかったわ…

サイアク…
< 12 / 53 >

この作品をシェア

pagetop