~fault~私だけが・・・
彼の名前は 『笠間優斗(かさまゆうと)』国立大学理工学科の三年生。
あいつ達とは比べ物にならないくらい大人で、いつもやわらかな空気を纏ったような
優しくて温かで一緒にいると安心できる人。

付き合い始めて2ヶ月、優斗くんの自宅にも招待されて夢みたいな時間・・・

専業主婦のお母さんはキレイで優しくて笑った顔が優斗くんとソックリ(笑)
お父さんは銀行にお勤めでとってもダンディで優斗くんと同じで物腰がやわらかな人。
お兄さんは優斗くんとはタイプが違ってIT企業で働くキリっとしたイケメン。

そう言ったら「ん~~オレはキリってしてないか・・・?」ってちょっと拗ねた(笑)
とにかく絵に描いたような、スマートな笠間家。

一番嬉しかったのは、こんな男みたいな私を女のコとして歓迎してくれたこと。
ご両親は女のコを望んでいたのに「二人とも男のコで・・」 と言って、私を本当の娘の様に可愛がってくれた。

お兄さんも、「こんなむさ苦しい弟しか知らないから、かわいい妹が出来てうれしいな」っていってくれた。

計算違いの私がこの家では女のコとして喜ばれ、女のコであることの素晴らしさを初めて教えてくれた。
皆が女のコの私を求めてくれていた。
それが単純にうれしかった。
私の存在の意味が、あたかもココにあるように・・
何より今は優斗くんの存在が私にとってすごく大切で一緒にいる時間にとても幸せを感じさせてくれていた。




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