~fault~私だけが・・・
『別れよ』


えっ?
ちゃんとそう聞こえたけど、別れよう?聖奈?

『あきちゃった』
『どういう事?』

そう聞いたオレにそのままだよ~って笑って
『分かってるでしょ?中学生がいつまでもコンナ所に居ちゃダメだよ。』
『分からないよ何言ってんだよ聖奈。オレやだよ。セナぁ」
『そういうところ(笑)子供って思っちゃうの、ヤダじゃないでしょ。それにさもう気付いてるんでしょ?自分のキモチ!素直になりなさい。ねっ匠?』

背中を押されて反論なんてさせてもらえなくて、と言うよりは混乱していて声にならないオレで
聖奈とはうまくいってた、と思う。
中学でもモテなかったわけじゃない、ただ少し背伸びがしたくて年上の聖奈と一緒に居ることが多くなって付き合いだした。中学の先輩の友達だった聖奈。
聖奈との付き合いはホントに楽で・・・
でも考えてみたら、さっき聖奈が言った子供って思うってあれに正直グサって傷ついたってことはやっぱりオレが聖奈に甘えてたんだよな。

とは言え聖奈から言われた別れに対して何がなんだかわからなくてしばらく動けなかった。

スマホが鳴る。
近くの女子高の2つ上のアヤカさん。少し前から何度となく誘われていて・・・
今日は誰でも良かった。
オレはこの日を境にストライクゾーンの広い男になった気がする。

聖奈に捨てられたショック。
人生変わるくらい聖奈との別れは大きかった。
子供だったオレなりに、かなり本気だった。
渉のことは気になるし心配。でもそれは幼馴染として・・・

それだけ。




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