~fault~私だけが・・・

恋人との向き合い方

匠にあんな事言われてから何となく優斗からも遠ざかっていた。

スマホの音に少し戸惑いながらタップする。

【もしもし?】
【渉、元気?ずっと連絡しなくてごめん。仕事忙しくてさっ。】

優斗だった。

就職も決まっていた私に
『渉が働きだしたらきっと慣れるまでは今までみたいには会えなくなるからいっぱい一緒に居ような』って優しくキスしてくれた優斗だったけど実際は忙しくて最近はなかなか会えずにいた。

大きいプロジェクト任せてもらってるらしくて毎日忙しいのは知っていた。
電話でそう話してくれていたから・・・

なかなか会えないけどごめんなって言った優斗に気にしないで頑張ってって言いながら
内心は少しホッとしていた。


【どうしたの?】
【あ、オレ明後日から三週間九州に出張なんだ。だからその前に会えないかな?明日とかどう?なんか予定ある?】

【別にないけど、】
【ないけど何?】
【なんでもない!何時?】
【迎えに行くよ。】

匠の事を考えていた。
迎えになんか来てもらえない・・


【待ち合わせにしようよっ。それの方が、デートっぽくって、ワクワクしない?】
【そうだな~じゃあ、どこにしようかっ。】
【優斗に任せるよ。考えて、メールちょうだいよ】

オヤスミって電話を切る。






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