芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。
さっきまで恥ずかしさのせいで忘れていたけど、外は今もひどい雷雨。
そんな中で1人にされたら怖くてさびしくて。
いつも当たり前のように悝世がそばにいてくれるから。
それなのに今日に限ってそんなこと言わなくてもいいのに。
「珍しいね。
依茉ちゃんから抱きついてくるなんて」
フッと笑って、余裕そうな声。
まるでわたしが引き留めるのをわかってて試してきてるような。
「なんで、帰るの……っ」
「気分ってやつ」
"1人にしないで"って言いたいのに、素直な言葉が出てこない。
だから、抱きつく力を強くしてぜったい離れないって抵抗してみる。
「ねー、依茉ちゃん。
そんな抱きつかれたら俺動けないよ」
「う、動かなくていいの……っ」