芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。



「雷…怖いもん」


この理由もほんとだけど、今なら雷のせいにして悝世に甘えて触れることができるって……ずるい考え。



「……さっきより雷の音ひどくないのに?」


「なんで、そんなイジワル言うの…っ」


これじゃ、わたしばっかりがさびしがって求めてるみたいで。


いつもの甘えたな悝世はどこにいったのって。



「もう、いいもん……」


悝世の胸元を押して、距離を取るように身体をくるりと回転させて背を向けた。



今ぜったい、わたしは拗ねた顔してる。
見なくたってわかる。


たまにだけど、自分が気に入らないことがあると顔に出ちゃう。



でも今回のは悝世が悪いもん。
もう何を言ってきても許してあげないって強気の姿勢でベッドの端っこに逃げたら。



「……拗ねた依茉もかわいーね」



ベッドがきしむ音がして

あっという間に甘い匂いに包まれた。

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