脳内毒舌侍 ② ~その後~
こいつ、今「俺と付き合って」と言ったか?
クズと一緒にいた私の耳がバカになったのか?

「どうかな?」

どうかな、じゃないし。

「今回はいくら貰うんだ?」


「ええっ、やだなあ、お金目的なんてクズいことしないよ~」

こいつ…、何が「しないよ~」だ。
昨日の今日だぞ。

どこまで屑屑(くずくず)しい んだ……?

「断る。お前は物好き集団…、ゴホンッ、ファンクラブのお嬢さんがたとでも遊んでろ」


「あっは」

何だ、「あっは」って。こいつ…顔がにやけてやがる。もしかしてこいつ…!

「俺、桐生さんみたいな女の子始めてだよ~。厳しくてクールでいいね~」


「お前マゾか」

マジかよ、クズ王子マゾなのかよ。
つーか私は「クール」じゃねえ。
どっちかっつーと「無愛想」…?とかだろ。

「え~?俺Mじゃないよー。桐生さんの暴言にゾクッとするくらいだよ」


真性(しんせい)のマゾじゃねえか。

今にも、「踏みつけて♥️」と言わんばかり。
ハッキリいって、屑屑しい上に気持ち悪い。

「死ね」

あー、口が滑っちゃったー(棒読み)

「桐生さん、『死ね』なんて言っちゃいけないよ」

おお…悪い…。今のは流石に失言。

「昇天してください」

「イヤー、それ変わらないよぉ」

何でこいつ嬉しそうなんだ。ああ、マゾだからか。気持ち悪いな。

「私は帰る」

「桐生さん、もう帰っちゃうの?
告白の返事は!?」

「さっき『断る』っつったろーが。
お前は顔以外に良いとこねえのか」

「あっは…♥️」

それマジでやめろ、虫酸が走る。

「お前、いっそのこと 私と世界の為に昇天しろ。墓にはそこら辺の野草でも添えてやるよ」

「あっh…」

「それやめろ」

「え~?桐生さん、性格悪いよぉ?
まあ、俺はそういうの嫌いじゃないけど♪」

こいつ……、ある意味すげーな。神経図太すぎだろ…。

「おい、クズマゾ王子、言っとくがな」

ううーわー、私が何か言う度に顔がにやけるな こいつ。

「私は成人するまで異性交遊をする気は無い。仮に成人してもお前とは付き合わねぇ」

「そりゃないよ」

それはお前の意見だろ。

「俺と桐生さん、相性良い思うけどなぁ」

あー!こいつ何言っても無駄な感じが
ある意味すげーよ。

「私はお前のようなクズでマゾな男は好きじゃねえ。これでこの話は終わりだ」

ていうかマゾいたぶっても楽しくねーんだよ。ウェルカムされたら興ざめする。

さらばじゃ!クズマゾ王子!


END
< 2 / 3 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop