シンフォニー ~樹
27

ハワイから戻ると、健吾と絵里加は 結婚式の準備が忙しくなり 樹も色々意見を求められた。

婚約指輪は ミキモトでオーダーした二人。

大粒のダイヤを中心に 両側に小さなパールを配した 豪華で愛らしいデザイン。


出来上がった指輪を 健吾達と一緒に 受取りに行った樹と恭子。
 


「わあ。素敵。絵里ちゃんにピッタリ。」

恭子は 夢見る少女の顔で 絵里加と指輪を見比べる。

絵里加も、幸せいっぱいの笑顔で。
 

「うん。いいね。姫に良く似合うよ。」

樹も笑顔で言う。

2年前 誕生プレゼントの指輪を見せられた時の 切なさを思い出し 苦笑しながら。

今は 絵里加の笑顔を 温かく見守れる 自分になったと。
 


「ママの指輪は、HWなの。同じは つまらないでしょう。絵里加の誕生石、パールだから。」

絵里加は嬉しそうに 説明してくれる。

健吾も満足気に、絵里加を見つめている。
 

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