如月くんは私をひとりじめしたい

東雲くんの手にはハンバーガーがあった。

ポテトとジュースも。


「一緒に食べてもいい?」

「うん」


東雲くんは私の前に座って、もぐもぐとハンバーガーを食べ始めた。

見かけによらず思いっきり食べる人なんだな。

って、私が言えることじゃないか。


「何?」

「あ、いや…よく食べるなぁと」

「それは安藤さんもでしょ。こんな夕方にラーメン食べて、夜ご飯食べれなくなるよ?」

「大丈夫だよ。私の胃袋、こう見えても大きいから」

「あはは、そっか」


とても穏やかで和やかな時間だった。

東雲くんがカレシだったら、こんな感じののほほんカップルだったのかな。

なんて、くだらないこと考えるのは止めよう。

私には如月くんっていう、すっごい素敵なカレシがいるんだから!

すっごい素敵かは謎だけどね。


「そういえば東雲くんは何してたの?」

「ショッピングモールの目の前に塾があるでしょ?そこに行ってるから今のうちに夜ご飯食べようと思って」

「そうなんだ。頑張ってね」

「うん」


東雲くんと別れると家に帰った。

如月くんに合いそうなプレゼント買えたし、もうあとは誕生日を待つだけ!
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