如月くんは私をひとりじめしたい


まっすぐ私を捕らえる眼から逃げられなくて、固まってしまった。

逃げたいのに、この視線から解放されたいのに逃げられない。

むしろ、吸い込まれるみたい。

私たちは何も言わず、また唇を重ねた。


「ねえ、小春ちゃん。僕はもう我慢しなくてもいいんだよね」

「えっと…ダメだよ。大人っぽい事は」

「大人っぽい事って言うところが可愛いなぁ。それについては心配しなくても“大人っぽい”事はしないからね」

「事はって……」


如月くんはニヤッと笑った。


「キスはいいんでしょ?」
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