如月くんは私をひとりじめしたい
如月くんに連れられるまま、街を歩いた。
手を繋いで雑談しながら歩いていると、着いたのは古本屋みたいなアンティークな所だった。
「えっと、ここは?」
「カフェだよ、まあ、まんが喫茶とも言うかな?」
「まんが喫茶!?私が前に言ってたこと覚えててくれたの?」
「うん」
いつかの放課後、どこに行きたいか聞かれたときにここを答えた。
でもそれは随分前でそれを言った私ですら忘れるか忘れないかの手前だった。
本当にそういう些細なことを覚えててくれるんだ。
「僕は小春ちゃんが言ったことを一音一句覚えてるからね」
「すごいね」
どんだけ記憶力がいいんだ。
そりゃあ、頭も良いわけだ。納得する。
「まあ、小春ちゃんのことだけだけどね。笹山とかと話したことなんて微塵も覚えてないし」
「前々から思ってたんだけど、如月くんって笹山くんへの当たり強いよね」
「そう?皆平等に接しているつもりだよ?」
と、笑顔で言ってきた。これ絶対確信犯だ。