如月くんは私をひとりじめしたい

着替え終わると、如月くんを呼んだ。


「如月くん」

「終わった?」

「うん」

「ありがとう」


よかった、いつもの如月くんだ。

ニコニコ笑顔でかっこいいけど、可愛いところがある如月くんに戻ってよかった。


「ねえ、小春ちゃん。後夜祭始まりそうだよ」


外を見ると皆、後夜祭の準備をしていた。

そんなに経ってない気がしたのに、意外に時間は経っていたようだ。


「誰かに見つかる前に行くよ」

「う、うん…」


タンタンと屋上への階段を上っていく。

気になるのは後片付けのことだ。

私もクラスの一員だし、片付けた方がいいに決まってる。

だけど、如月くんとサボってみたいという好奇心も強くて。

結局は好奇心が勝って、今に至っている。
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