松菱くんのご執心

「そうだな、多分できないだろうな、言ったらやってくれるだろうけど、三木さんは料理をさせてはいけない気がする。

もうひとつ特徴をあげるとするなら、見かけ通り、なんでも思ったことが口に出てしまうんだ三木さんは。

よく言えば、裏表がない」


「悪くいえば?」


「変人」わたしの方をちらりと見て言う。


「極端だなあ」


「学校で俺は喧嘩とかで、悪目立ちしているけれど、あの場所にもし三木さんが居たら、俺なんかただの男子生徒になるだろうなっていつも思う」


それくらい変で愉快な人だ、と松菱くんは主張した。


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