未明の三日月

二人を包む 熱い愛は、歓びだけを 与え続ける。

普段、穏やかな佳宏は いつも 驚くほど激しく 美咲を求める。

美咲も 佳宏の激しさに夢中になっていた。


甘く熱い時間。 激しく満たし合った二人は そのまま眠った。


佳宏が ベッドを下りる気配で 美咲は目を醒ました。

白みかけた空が 部屋をぼんやりと写す。


中々、戻らない佳宏が気になって 美咲も部屋を出てみる。

リビングに続く バルコニーの椅子に 佳宏は腰掛けていた。
 


「どうしたの、こんな時間に。」

近付いて 美咲が声をかける。
 
「おいで、美咲も。空が綺麗だよ。」

と佳宏は 振り返って笑顔を見せた。
 


「寒くない?」

美咲は ソファの上のひざ掛けを、そっと佳宏の肩に掛ける。

佳宏は 足の間に美咲を抱いて、後ろから ひざ掛けごと 美咲を包んだ。
 

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