恋泥棒の犯行予告
制服を元に戻して、ヒナの部屋に入ってからのことは、正直あまり覚えていない。
気づいたときにはヒナの呆れた顔が目の前にあった。
「昨日何時に寝たの?」
心配そうな顔しちゃって。
お母さんみたいなこと訊いてくるね。
「2時くらい…数学わかんなくて」
「そ。」
よくあることだ。
わからなくて、焦って、いつのまにか遅い時間になってる。
「責めないんだ? もっとはやく寝ろって」
「まぁ、ね。早く寝なきゃってわかってるんだけど、親とか先生に言われた通り早寝なんてしてたら勉強する暇ないじゃん? そこらは俺も経験済み」