恋泥棒の犯行予告
階段を上がったすぐの部屋。

見慣れた日世の部屋のドアが、今日は少しだけ開いていた。


「ヒナ、いるの?」


恐る恐るドアを開けると、そこには机の上に突っ伏してスヤスヤと寝息をたてている日世。


「お昼寝タイムね」


時計の針は夕方5時を指している。

腕の下敷きになったノートには座標軸と対数関数のグラフが描かれていた。


「相変わらずきれいに線引くなぁ」


歪みのない、きれいな曲線。

性格がまっすぐなのか、それとも神様に与えられた才能なのか。

どっちにしろ羨ましいことだ。

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