恋泥棒の犯行予告


久しぶりの日世の授業は、やっぱり変わらず分かりやすかった。

どこがわからないかをちゃんと汲み取ってくれて、尚且つ私が欲しかった解説をピンポイントでくれる。

ムカつくけど、ありがたい。


「日世さ、お祭りきてたよね」


一通り説明が終わって一息ついたころ。

あの時、向こう岸から聞こえた声が日世だったことを確かめたかった。


「あー、うん。有と一緒に行った」

「ごめんね、日世と見つけた場所を他の人に教えちゃって」


私がそう言うと、日世はぱっと目をそらした。

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