恋泥棒の犯行予告
どうせ気づいてたんでしょ?
隠し事ヘタクソすぎ。
「その……ごめん」
「なんでヒナが謝るの。悪かったのは私だし」
正直、自分でも驚いたんだ。
目の前に圭斗がいて、ふれあう熱はあつかった。
なのに、不思議と胸の高鳴りとか、心臓の鼓動とか、そういったものを感じることができなかった。
向こう岸から聞こえた日世の声に、必要以上に体が反応してしまったことに、罪悪感を覚えてしまうくらい。
「ヒナ、ちょっといい?」