こぼれるほどの愛を、君だけに。【完結】
『あのっ。早速本題に入りますが、
 ありがとう、が3つ、あります』



「急に、何っ?!」



『1つめは、充電器貸してくれてありがとう。
 2つめ、まだこのお店にいてくれてありがとう。
 3つめは、ゆず茶、ありがとう。』



「ホントだ。ちゃんと3つあった。
 ビジネスライクなんですね」



『謝罪、感謝、要望。これはきちんと伝わるように話す、は
 ビジネスの基本ですから。」



「ぷぷっ。はい、わかりました」



『それで、お礼したいんですが』



「そんなの、べつに」



『あの...もしかして、学生さん?』



「はい。高3。」



『そうなんだ…』



「何か?」



『ううん。社会人かと・・
 私、高校生に助けてもらっちゃったんだ』



「だめ、でした?」



『ううん。そうじゃなくて。
 よく、気がつく子だな~、って
 感心しちゃった。
 充電器貸してくれて、さらに
 ドリンクまで買ってくれて。
 普通そんなこと、できないよ』



「そう・・かな」



『そうだよ。
 で。どうしたらいいかな。
 何か、欲しいものとか、
 してほしいこととか、ない?』
< 16 / 153 >

この作品をシェア

pagetop