こぼれるほどの愛を、君だけに。【完結】
◆◇◆◇◆◇◆◇
「へぇ~。世の中捨てたもんじゃないね」
イケメン神様の話をすると、
充電し忘れていた張本人の穂香が
しれっと、前髪なんかを直しながら
いい女風に言った。
ったく~。
「で、名前は?」
『聞いてない』
「は? バカなの? ねえ、バカなの?」
『2回も言わなくていい』
「だって、普通聞くでしょ。
それだけ助けてもらって
さらにドリンクまで買わせて。
こーこーせーに!
なのに、名前すら聞いてない?
はあ?」
『ちょっと。攻撃力高すぎ』
「そーゆーところなんだよね」
『何が』
「そーゆーところが、男運をポロポロ逃す、ってこと」
『男運? 何を今さら』
「女捨ててるね、完全に」
『ありがとう』
「褒めてない」
6年前。
20歳という花の女ざかりのとき、
大好きだった彼にフラれてから
私のなかで、何かが壊れた。
おしゃれも
女らしさも
恋愛も
全部まとめて砕け散った。
「へぇ~。世の中捨てたもんじゃないね」
イケメン神様の話をすると、
充電し忘れていた張本人の穂香が
しれっと、前髪なんかを直しながら
いい女風に言った。
ったく~。
「で、名前は?」
『聞いてない』
「は? バカなの? ねえ、バカなの?」
『2回も言わなくていい』
「だって、普通聞くでしょ。
それだけ助けてもらって
さらにドリンクまで買わせて。
こーこーせーに!
なのに、名前すら聞いてない?
はあ?」
『ちょっと。攻撃力高すぎ』
「そーゆーところなんだよね」
『何が』
「そーゆーところが、男運をポロポロ逃す、ってこと」
『男運? 何を今さら』
「女捨ててるね、完全に」
『ありがとう』
「褒めてない」
6年前。
20歳という花の女ざかりのとき、
大好きだった彼にフラれてから
私のなかで、何かが壊れた。
おしゃれも
女らしさも
恋愛も
全部まとめて砕け散った。