こぼれるほどの愛を、君だけに。【完結】
イケメン神様が、スッと私を立たせる。

私はまるでマネキンみたいに、立ち尽くす。




うひゃ~。
顔が、イヤ、体中が熱い。


今私の体温計ったら、
軽く39度は超えてるに違いない。


やだ

絶対顔、赤いじゃんっ!





「あの、こないだの…。
 まだ、有効?」


『こないだの?』


「お礼、してくれる、っていう…」




視線を合わすと

イケメン神様は、これまた爽やかに

目にかかる前髪の奥から

真っ黒い瞳を輝かせていた。



魔法でも掛けられたみたいに動けなくなって

目が、離せなない。



だめだ

このままじゃ

イケメン神様の沼にハマッてしまう...




大きく深く息を吸い、

慌てて視線を逸らす。




『も、もちろんっ。何か欲しいもの、決まった?!』


「コレ、来てください」




しわしわになったプリント?




プリントから視線を上げると

そこにイケメン神様の姿はもうなかった。

え?行っちゃった?



どうやらイケメン神様は、言いたいことを言うと
すぐに立ち去らなければいけないらしい。
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