永世中立でいたいんだけど、そうさせないのが君たちだよね 〜龍になっております〜
ショッピングモールは延期。めいが医者へ行こうと私に強く迫ってくる。
「りん、皮膚科に行こうよ」
「やだよ。何されるか分かんないじゃん」
ゆいの運転する車には私が助手席、めいが後部座席とそれぞれ座っていた。ゆいは何も言わずただ私たちの会話に耳を傾けている。
「お医者さんは嫌いなんですよぉ」
口をとがらせてめいに言うとめいは相変わらずな涙目で私に
「私が全部お金出すから行こうよ」
と訴えかけた。だが、正直なところ本当に行きたいと思わなかった。2人には痣から異物が出てきていると言っただけで鱗とは言っていない。何故かその鱗を剥がされる方が皮膚を裂かれるよりも何倍も痛いような気がしたからだ。
「何日かして痛みが出てきたらその時に行くよ」
とめいに返した
「約束だよ?りん」
すると今まで黙っていたゆいが口を開いた。
「めい、先にお店で待っててくれる?りんと話した後にあたしたちも出勤するから」
「…分かった」
車がお店の前で停車し、めいがアイコンタクトをして車を降りた。
嫌な予感は的中する。
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